
デニム好きなら誰もが憧れる「LEVIS Vintage Clothing(LVC)」の501XX。
ひとえに501XXといっても様々な年代のモデルがあり異なる時代背景と個性を持っているため、「違いがわからない」「どれを選べばいいの?」と迷う方も多いはず。
本記事では、ジーンズファクトリーで特に人気な1944、1947、1955、1966年モデルの4つに絞り、各モデルの特徴からサイズ選び、おすすめポイントや洗濯方法まで徹底解説!
この記事を読めば、あなたにぴったりの一本が見つかります。
LEVIS Vintage Clothing 501とは?ヴィンテージ好きに愛される理由
LVC(LEVIS Vintage Clothing)シリーズの魅力

その魅力は単なる復刻に留まらず、当時の素材や製法を忠実に再現している点。
本物のヴィンテージに限りなく近い風合いで、「自分に合ったサイズを、自分が育てる」楽しみを味わえるようになっています。
501が特別な存在である理由

シルエットやディテールが各年代の背景やカルチャーを映し出しており、一本一本にストーリーがあります。
ただの洋服ではなく歴史をまとう感覚を味わえるのが501の最大の魅力です。
LEVIS Vintage Clothing 501
LVC 各年代のモデルごとの違いを徹底解説!
ヴィンテージデニムの魅力は、時代ごとに変化するディテールや背景を知ることで何倍にも膨らみます。ただ「見た目が違う」だけでなく、なぜその仕様なのか、どんな文化や歴史が影響しているのかを理解することで、より深くデニムを楽しむことができます。
1944モデル|戦時下に生まれた究極の機能美""大戦モデル""

第二次世界大戦によるアメリカ政府の資材制限の影響により製造工程が簡素化され、さまざまなディティールやパーツが変更された歴史的なモデルになっています。

物資不足により、軍服で用いられたボタンが民間の衣料にも使用されていました。
ボタンも既製品を流用した刻印が入っていないドーナツボタンに変更されており、現在のボタンのように厚みがなく平たい形状なのがポイント。

また当時モデルの一部にはコインポケットがないものが販売されており、刺繍でコインポケットがある風に見せていたそう(LVCではコインポケットあり)。
現行を見るとありえない仕様ですが、大戦モデルでしか味わえないポイントですね。

そのため、経年劣化とともに色がなくなっていき、最終的にはバックポケットがシンプルに。
着用を重ねるうちに消えていく儚さが、まさに“大戦モデル”ならではの美学です。

LVCの中でも男心をくすぐるロマンが詰まった一本と言えるでしょう。
1947モデル|リーバイス黄金時代の“完成形”デニム

労働着としてのジーンズから、若者文化やファッションアイテムの象徴へと変わる転換期でもあり、過度にデザインされていない素朴なワークウェアとして、""501の完成形""と評価されてるモデルです。


コインポケットのリベット、バックポケットのアーキュエイトステッチ、リーバイス刻印入りのフロントボタンが復活。
また12本針式のミシンが導入され、アーキュエイトステッチを均一なサイズとデザインで大量生産が可能に。
中央にダイヤモンドシェイプが登場するようになります。

この片面刺繍のレッドタブは1950年初頭までの仕様で、50年代半ば以降になると表裏に刺繍が入るように。

アメカジからキレイめなスタイルまでマッチする一本です。
1955モデル|アメリカンカルチャーの象徴“無骨デニム”

映画や音楽といったポップカルチャーと結びつきながら、ジーンズはワークウェアから反骨精神の象徴へと変化していきました。
ジェームズ・ディーンやマーロン・ブランドなどの映画スターの影響もあり、1955モデルは当時の若者のカルチャーアイコンとして現代に至るまでその精神を受け継ぎ続けています。

それまでレザーのパッチを使用していましたが、ジーンズの生産量の増加によるコストの高まりと、性能の良い洗濯機の登場でレザーと一緒に生地が収縮する不具合が起きたため。
また1955モデルのパッチは""EVERY GARMENT GUARANTEED""の文字が入った通称「ギャラ入り」で、1962年頃までのかなり希少性の高い仕様になっています。

ザ・アメカジスタイルなざっくりしたシルエットと重厚感のある生地が魅力で、男らしさあふれる一本です。
その他、基本的なディティールは1947モデルを継承しています。
1966モデル|モダナイズされた“進化系ヴィンテージ”

特に501は「ルールに縛られない自由なファッション」の代名詞になっていました。
そんな中誕生した1966モデルは多くのディテールが1955モデルから変化、より現代的なジーンズに近づいた過渡期の一本といえます。

またレッドタブ両面の「E」が大文字、いわゆる""BIG E""で、これらの仕様を併せ持っているのが特徴です。
これは1966年から1971年のわずかな期間だけに見られるディテール。

1966年、品質の高さが広く認知されたとして、丈夫なデニムを意味するXXの省略を決定。
新しい501が従来の商品と同じことを示すため、ペーパーパッチに501と旧品番の501XXの2つの品番を併記していました。
ウエストのVステッチも平行ステッチへ変更されています。

太すぎず細すぎずのバランスの良いシルエットで、さまざまなスタイルに合わせやすい一本です。
スタッフによるLVC 501の年代別違い解説もぜひご覧ください
スタッフブログはこちら
各モデルのサイズ感&サイズ選びのコツ
リジッド(未洗い)デニムの縮みを計算せよ
今回ご紹介したLVCはすべてリジッド(未洗い)デニムで、最初の洗濯で大きく縮むことが特徴。ウエストは約5センチ、レングスは6~8cm縮むため、購入時は1~2インチ大きめのサイズを選ぶことがオススメです。
また、縮みは2、3回の洗濯で落ち着きます。
モデル別シルエット比較

お好みの着こなしに合わせて選んでみてくださいね!
モデル毎のサイズ感・シルエット解説
1944モデル

31インチ着用
股上がやや浅め、全体的にやや細めのシルエット。
大戦モデルは一癖あるディティールが満載で、スッキリ穿けるのが魅力ですね。
1947モデル

32インチ着用
ワタリ幅が細く、股上も浅い細身のシルエット。
太すぎず細すぎない絶妙なストレートシルエットが◎
1955モデル

30インチ着用
股上は普通程度、全体的に太いシルエット。
ヒップまわりとワタリにしっかり余裕があるけど、裾にかけてズドンと落ちるラインで、""ザ・ヴィンテージ""な無骨なシルエット。
1966モデル

32インチ着用
ワタリ幅はやや細め、股上が浅めのスッキリシルエット。
少しテーパードが効いた細身ストレートシルエットで、現代風な表情の仕上がり。
各モデルのオススメサイズ選び
各モデルのシルエットの特徴と、縮みを踏まえたサイズ選びのポイントをまとめました。基本的に縮みを考慮し1、2インチアップがオススメですが、1955モデルは太めのシルエットなのでスッキリ穿きたい方は普段のサイズでも◎ 是非参考にしてみてくださいね。

LVCの洗濯 ファーストウォッシュ(糊落とし)のオススメ方法
失敗しない“育てる洗い方”とは?
リジッドデニムは最初の洗い方が肝心。この工程で今後の色落ちやシルエットが決まると言っても過言ではありません。
ぬるま湯に1~2時間ほど浸け置きし、洗剤は使わずに糊を落とすのが基本です。
脱水は軽めにして、陰干しでゆっくり乾燥させることで、理想的な縮みに仕上がります。この工程を丁寧に行うことで、デニムを長く楽しむことができます。
■ おすすめ手順
デニムを裏返し、ボタンやジッパーをすべて閉じ、ぬるま湯(40~50℃前後)に裏返して浸け置き1~2時間
→ 生地へのダメージを抑えつつ糊を落とす。洗剤は基本不要(使う場合はデニム専用洗剤を少量)。
空気を抜いて全体にお湯が染み込むように軽く押し込むことがポイント。
デニムは浮いてくるので、2Lのペットボトルなどを重しとして使うと良いでしょう。
脱水は軽めにし、陰干し
→ 直射日光は避けてゆっくり乾燥させることで縮み過ぎを防止
(※レングスが気になる場合は、乾燥機で一気に縮ませる方法も有効ですが、シルエットが変わるリスクもあるので上級者向け)
実際の経年変化の様子をスタッフが紹介しています
スタッフブログはこちら
通常の洗濯方法と頻度|色落ちと長持ちを両立するコツ
色落ちを楽しむ派 vs 綺麗に履きたい派で洗い方は変わる

色落ちを楽しみたいなら2〜3カ月に1回の洗濯が理想ですが、清潔感を保ちたい場合は月1回の洗濯がオススメ。
どちらの場合も裏返して優しく洗うことが大切です。
絶対に避けたいNG行動

これらは生地を傷めたり、色落ちを不自然に進めてしまう原因になります。
結局どのモデルがおすすめ?タイプ別に提案
はじめてのLVCにおすすめの1本は?

細すぎず太すぎずの絶妙なシルエットで、さまざまなスタイルに合わせやすく、クセの強いディティールがない「いかにもヴィンテージ」すぎないところが魅力です。
ヴィンテージ感重視ならこのモデル

第二次世界大戦下の背景が反映された「今にはない味わい」があり、男のロマンが詰まった一本。
やや細身のシルエットで合わせやすいのも魅力です。
シルエットで選ぶならこのモデル


1955年はワイドで無骨なシルエット、1966年はややテーパード気味で細身。
どちらも現代のファッションに合わせやすく、シルエットの違いがはっきりしているため、両方穿き比べて選ぶのも◎
スタイルや気分に合ったシルエットを重視するなら、1955年 or 1966年モデルで“見た目勝負”の選び方もアリです。
【FAQ】LVC 501モデル選び・着こなし・洗濯のよくある質問

Q1. LVCのデニムは洗濯してから履いた方がいいですか?(糊落としは必要?)
A. 必要!リジッドのまま履くと縮みが読めず、着用中にシルエットが大きく変わってしまうからです。ぬるま湯に浸けて糊を落とすことで、縮みのクセが安定し、以後のサイズ選びや育成がしやすくなります。
Point:「最初にしっかり洗う」が、長くきれいに育てるコツ!
Q2. LVC 501の縮率はどれくらい?購入時のサイズはどう選べばいい?
A. ウエストで約5cm、レングスで6〜8cm縮みます。縮んだ後にジャストで履きたい場合は、ワンサイズ上(+1〜2インチ)を選びましょう。
Point:モデルごとのシルエットも考慮しながらサイズ選びをすると◎
Q3. 洗濯の頻度はどれくらい?洗剤は使っていいの?
A. 色落ち重視派は2〜3カ月に1回、清潔派は月1回程度で、洗剤はデニム専用のものを少量使うのが安心です。デニムの風合いを楽しみたい場合は洗いすぎないのがコツ。
ただし、汗や皮脂が気になる場合は無理に我慢せず、優しく洗うのが正解です。
Q4. LVCは育てるジーンズって聞くけど、実際どうやって育てるの?
A. 自分の体型や動きに馴染んでいく過程を楽しむのが「育てる」ということ。穿きこむことでヒゲやアタリが出て、自分だけの一本に仕上がっていきます。
育て方に正解はなく、自分らしく履き込むことこそが最大の魅力です。
まとめ|時代を超えて愛されるLVC 501、まずは一本手に取ってみよう
LVC 501は、単なるデニムではなく“歴史をまとう”特別なアイテム。違いを知り、自分に合った一本を選ぶことで、デニムライフがより豊かになります。
ぜひお気に入りのモデルを見つけて、育てる楽しさを味わってください!
LVC(LEVIS Vintage Clothing)を簡単に解説

象徴的な復刻アイテムや、毎シーズン新しく打ち出されるトリビュート、そして限定アイテムを通して、リーバイスの貴重な歴史を蘇らせ、リーバイスファンが満足するような時代を超えたアイテムを提供している。