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jeansfactory(ジーンズファクトリー)

STILL BY HAND(スティルバイハンド) デザイナーインタビューと秋冬アイテム解説

2023.10.11
STILL BY HAND(スティルバイハンド) デザイナーインタビューと秋冬アイテム解説の特集用バナーです。

made in JAPANでその名の通り手仕事感のある丁寧な物作りを続けるSTILL BY HAND(スティルバイハンド)。
今回はデザイナーの柳 優介さんを迎えて、ブランドの発足についてからデザインや製作に至るまでのお話を掘り下げて伺いました。
また、今回初めてのリリースとなったジーンズファクトリー別注パンツに加えて、注目の秋冬アイテムについてもデザイナー独自の視点から解説頂きました。
通常では知る事の出来ない製作の裏側から細かなこだわりまでSTILL BY HAND(スティルバイハンド)の世界観を知って頂き、ぜひ実際にアイテムを手に取ってご体感ください。

STILL BY HANDデザイナー 柳 優介さん

デザイナーにして株式会社スタイルデパートメント代表取締役。
アパレルメーカーにて生産職を経て独立。2000年から『STUDIO ORIBE』(スタジオオリベ)にて、一人で『STILL BY HAND』をたった6着からスタート。
以降、シンプルでいてモダン、手仕事の温もりのあるコレクションを毎シーズン展開している。

STILL BY HAND(スティルバイハンド)とはどの様なブランド?

_まずはSTILL BY HANDのブランドをジーンズファクトリーのお客様に知って頂く為に、ブランドネームの意味から伺っても?

”STILL BY HAND”って直訳すると“未だに手で”という意味になるんですけど、ブランドを始めた当初はもっとハンドクラフト感がある構成だったのでシンプルにそういう意味を込めたっていうのもあります。
現在では機械でオートメーション化された中でも、手仕事というか手の込んだ事がちゃんとされている、そういう物作りをきちんとしていこうという意味を込めてのネーミングになります。

_デザインのコンセプトは?

“ユニークさのあるベーシック”という言葉がブランドの基礎となる考えです。
外面的にかっこいい物ではなく、身に着けることで自分らしくいられる、日々の生活に変化をもたらすデザインを作ろうと努力しています。
実は思い浮かべている人物像も凄く詳細にあります。ただ、それを言ってしまうと服を見にくるお客さんが、変に先入観を持って見られてしまうと思うので言わない様にしてるんですけど。ただLOOKをコーディネートする時はその人物像から外れない様にしているので、見て頂いたら何となく分かるかもしれないですね。ヒントとなる事を言うと“絶対にかっこよすぎない事”っていうのがポイントです。 _ブランドを始めるきっかけは何だったのでしょうか?

服飾の学校でデザインを学んだあとは約1年間イギリスに留学して言語学校で英語を学んで、服飾の学校にも行きました。
帰国後はレディースの生産の仕事がしたかったのでそういった会社に就職したんですけど、自分でワンボックスカーに生機を積んで染工所に持っていって、染まった生地をまた裁断屋に持っていって、発注して、みたいな仕事を必死でやっていましたね。素材の特性に合わせて指示を出すとか、生地の特性によって必要な製法は当時頭に叩き込まれたので、今の素材に応じたデザインの基礎になっています。
その後、紆余曲折があり生産から営業職になる事になって、その営業で行った先の1社で“STUDIO ORIBE”という会社があって、そこではトップスの生産を手掛けていました。
STUDIO ORIBEの生産を手掛けるうちにお声がけ頂いて、STUDIO ORIBEの会社内で自分のブランドをスタートさせ、現在は独立していますが、そこがきっかけですね。

STILL BY HAND(スティルバイハンド)の服が出来るまで

_アイテムはどれもシンプルであっても普通ではないと感じます。独特の余白みたいなものがあって、そこに着る人の個性が合わさってはじめて完成されるように感じます。デザインから製品になるまでの工程で柳さんならではのこだわりは?

最初はもちろんスケッチでデザインを描くんですけど、その次にその服をどうやったら思い描いたイメージ物に近づけて作れるかというのを考えなくちゃいけないんです。イメージに近づけてディティールを詰めていっても、最終的にそれを製品として縫えなければいけないんですよね。
なのでデザイナーというのは、製品に仕上がった状態をイメージして企画を進めていくので、この見た目を作る為には、っていうデザイン、パターン、素材選び、適した縫製工場の決定という全ての工程に精通して決断できる人であるべき、というのがこだわりというか持論です。 _全てmade in JAPANで作られていますが、どこのどういった工場で作られていますか?

北は青森から西は福山まで、生地、縫製、シャツかTシャツかなど、それぞれの工程で信頼できる工場にお願いしてますね。
新しい素材の工場も最近スタートしたので全国にあります。生産の仕事をやっていた時からの蓄積も今に活きてます。

_素材選びのこだわりは?

いかにもこだわって糸から作ってます、みたいな誇張した言い方が好きではないのですが。
僕の場合は先ず仕上げたい服のイメージが先にあって、それを達成する為に必要な開発をしようとするのが素材選びのスタートにあります。
一般にメンズのクリエーターと言うのは、ヴィンテージを紐解いて、というような生地を作る所からスタートしてますが、僕の場合は先ずイメージする人物像が先にあって、その人が着てる服があるので、そこから来るイメージに合う素材を1つ1つ作るっていう感じになります。 _STILL BY HANDならではのディティールはあるんですか?

男性服の基本的なディティールやヴィンテージをただ踏襲するのではなく、服のイメージにあったディティールを採用したり新しくデザインしています。
今までにない全く新しいデザインという訳ではなく、他のブランドがしない様なパーツ選びや仕様、というのがそういったポイントでしょうか。
定型通りのデザインではなく、着る人がどう着るかみたいな余白も大事にしたいというのもありますね。

ジーンズファクトリー別注 DAD'S PANTS

_今シーズン、初めてジーンズファクトリーではSTILL BY HANDで別注アイテムを作らせて頂きました。これはどういったきっかけで始まった企画なんでしょうか?

トップスはユニセックスでワンサイズフィットで誰でも着れるみたいなデザイン多いですよね、っていう所から、同じようにパンツで大きい物を無理やり絞って穿く、という発想をネーミングとして“DAD'S PANTS”と名付けました。お父さんのパンツを借りてきたかの様にはいてそれが面白い、という企画をジーンズファクトリーの横田バイヤーから頂いたのがスタートでした。 _詳細をご説明頂いてもいいですか?

“DAD'S PANTS”というネーミングとデザインの面白さを連動させたかったので、サイドのアジャストタブでサイズ調整できる様なディティールは絶対必要だよね、という事で両サイドのボタンで大幅にサイズ調整出来て、それがタックっぽく見えるのもポイントです。
敢えて前側だけゴムを入れて背面側はゴムを入れてないんですよ。これはサイドのタックを目立たせるためです。
ベルトループを付けずにイージーパンツ仕様にして、フロントファスナーもなくしているのが“DAD'S PANTS”らしさが出ていると思いますし、対比でバックポケットはトラウザーの使用になっていて、カジュアル過ぎない仕上がりが秀逸なバランスのプロダクトになりました。 別注 ダッドパンツ[2303JF-P01-JF]/¥18,700 tax in

23FWおススメアイテム

_今シーズンもジーンズファクトリーではSTILL BY HANDのコレクションを多くラインナップさせて頂いていますが、この中で柳さん的におすすめは? アウトドアベスト[VE02233]/¥22,000 tax in

ウールパイルのアウトドアベストですね。STILL BY HAND では珍しく3年連続で作っているヒットモデルです。
素材感が肝でフリースで作ってそうなデザインをウール×ナイロンで表情のある素材にしました。
ポイントは縫製で、カットソーを作っている工場で縫製しているので部分部分でフラットシーマというベストでは使われることのない難易度の高い縫製になっています。今時期はアウターにして、寒くなるとミドルレイヤーで役立つので手放せない一品としてお勧めです。

_私的には中綿シャツが気になっているんですが、SLATE BLUEの色味も絶妙なニュアンスで。こちらはどういったアイテムでしょう?? マイクロリップ 中綿シャツ[BL02233]/¥29,700 tax in

先ずは生地がこう見えてマイクロリップストップという格子状の生地で、撥水性もあります。
中綿はTHINSULATEのEX SOFTを使っていて滅茶苦茶軽くて暖かいです。カフが細かったり袖が2枚パーツに分かれていたり細かいデザインはアウターっぽく作っていて、ラグランスリーブで軽くストレスなく羽織れる保温アウターとして着回しがききそう。
フロントのボタンが小振りなリングドットボタンというのもポイントで、小振りなリングが品良く主張するのでカジュアル感が控えめになりますね。

_こちらのウールコートは素材感が凄く素敵ですよね?トレンド関係なくずっと長く着れそうな一着かなと思いました。 ツイードステンカラーコート[CO03233]/¥54,000 tax in

今シーズンのラインナップで一番重量感のあるアウターです。素材にはツイーディな厚手のメルトンを使用していて、糸にはリサイクルウールが使われています。落ち綿原料とミックスして使っているリサイクル素材って言うのが良いなと思い採用しました。
オイルカットという敢えて脱脂した様な加工をしているウール生地で、最初から着こんできた服のような雰囲気も出るのかなと思います。
デザイン的にはステンカラーコートとモッズコートの中間的な雰囲気で、オーバーサイズで楽に着れるようなサイズ感を意識した作りになっています。

STILL BY HAND(スティルバイハンド)の今後のビジョン

_では、最後にSTILL BY HANDの今後のビジョンをお聞かせください。

2017年から海外でも徐々に取扱店が拡がって、南半球のオーストラリアやニュージーランドでもお取り扱い頂けるようになりました。
海外では日本の1.8倍位の価格で販売されるので、海外で卸をしたことで人にとって価格っていうのは物の価値を計る大きな物差しなんだなと改めて感じました。海外では著名なデザイナーズブランドと同じラックで提案したいというオファーを頂いたり、日本では考えられなかった事だったんですが、それが自然と自分で幅とか枠を決めてしまっていた所もあったなと気づかされるきっかけにもなったんですね。なので、今後はそういった枠に縛られることなく、自由に、色んな世代やジャンルの人達に受け入れられるブランドで在り続けたいというか、それが今の時代に合った洋服だと考えています。

_ STILL BY HANDはジーンズファクトリーでも多くのお客様に支持されているブランドなので今後もブランドの魅力をお客様に伝えていきたいと思います。本日は興味深いお話を聞かせて頂いてありがとうございました。

23FW ITEM LINEUP



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